編曲 †ここで扱う編曲(arrange)は,主に室内楽(サクソフォンアンサンブル)の形態で演奏するためのものである. サクソフォン四重奏 †サクソフォン四重奏は,Soprano,Alto,Tenor,Baritoneの各サクソフォンによる四重奏が主であり,弦楽四重奏を元にして考案されたと言われている. Soprano, TenorはB♭,Alto, BaritoneはE♭の調性であり,それぞれは1oct.はなれた音域をもつ. 普通はBaritoneがベースラインを,Sopranoがメロディー,Alto&Tenorでハーモニーという形の構成になることが多い.Sopranoの音色はやや特徴的であり,リード(Solo)パートに採用すると音が映えるためである.AltoとTenorの音色は角がないというか,やわらかいというべきか,といったもので,SopranoとBaritoneの橋渡しのような役割にちょうど良い. イメージとしてはElectoneの右手(メロディー),左手(伴奏),左足(ベース)に近い.ただし,別に左手が伴奏しかしないわけではないのと同様,Alto,Tenorもメロディックに使うことも可能である. 特にSopranoとAltoをメロディーライン(Altoは3度下など)にすると曲が盛り上がりやすい.根音以外の音を適切にTenorに割り当てないと貧相に聞こえてしまうという弊害もあるが,効果的な手法である. 音域を離すと割と盛り上がるが,ハーモニーがまとまりにくい.Sopranoがoctkeyを押したあたりで,Baritoneが中低域の(実音)Fから下あたりのような構成だとそうなりやすいように思う. 逆にSopranoがoctkeyを押さない音域でメロディーを吹くと,Soprano奏者の音色コントロールの負担が大きい.またAlto&Tenorに隠れてしまうこともある.ただこれを逆に生かして,Tenorをメロディーに割り当て,SopranoとAltoによるカウンターメロディーを構成するなんていうこともできるだろう. |